答えの見えない答えがここにあるから

綴って
綴って
また綴る

思うことはやめられず
想うことは逃避のように

頭の片隅におかれたひとつぶを
いまだ大事に抱えている

＋＋＋

毎日同じ車両に乗って、違う風景を眺めて、この目に焼き付いた情景が胸をさす。

揺れる車両。
重なるかげ。
夕陽に染まった空の向こう。

そう言えば、夕陽と同じ名を持つ人がいたと頭をよぎって。あの頃の不思議な出来事を人事のように思い出す。

あれはいつだったっけ。
もう遠い昔のようにおぼろげな記憶の破片は、うまく紡げない。
人は忘れていく生き物だから、と誰かが言った。
それは人間に許された唯一の救いね、と誰かが笑った。

あれは、誰の言葉だっけ。
言葉だけは鮮明にここにあるのに。

そういう一つ一つを思い出しては書き留めて、そこにある想いを忘れぬように。

昔いた現実と
昔見た未来を