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夢を見ようか、と、彼は言った。
+++ 閉じそうな瞳を擦り、眠りを遮る。 ここで寝たらダメだ。 解ってはいるものの、じわじわと身体を蝕む眠気には勝てない。 「・・・ここ、は・・・?」 明らかに自分の部屋ではないどこか。 私は夢現を彷徨いながら、これは夢?と自答する。 人気はなく、私1人がベッドに横たわって。 だるい身体を起こすことなく、まどろむ。 ・・・こんなに豪華なベッド、初めて見た。 天蓋つきのアンティーク調のベッドは、そうそう拝めるものではない。 カタンッと物音がした。 「・・・だれ?」 ぐらりと歪む視界。 眠気が私を誘う。 寝てはいけない、そう本能が訴えるのに、私は止められなかった。 「おやすみ」 聞き覚えのない声。 あたたかい手が私を撫でた。 +++ よい夢を、と誰かが言った。 PR COMMENT COMMENT FORM
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