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そんなバカなことがあるだろうか。
 
こんなことがあっていいはずがないのに。
『夢』はこちらの言うことなど見向きもしてくれない。
 
+++
 


「お嬢さん」
見慣れぬ奇妙な町並みと色合いにただ呆然と立ち尽くしていると、白い肌に赤を飾った者がこちらを向いて何者かに声をかけた。
「(おじょうさん…?)」
聞きなれない単語に首を傾げながら靄のかかる頭を働かせる。
おじょうさん、オジョウサン、お嬢さん…。
いまどき『お嬢さん』とは珍しい。
『お嬢さん』と呼びたくなるような『お嬢さん』なのだろうかと、私は半ば反射的に辺りを見回した。
誰だろう。あの子かな。あの子かな。でも。あれ。
ナニ カ ガ チガウ。
「…お嬢さん。なぜこんなところに」
耳元から聞こえた囁きとも取れるような声色に、私はびくりと肩を揺らして振り返る。
視界を埋める浅黄色の着物。
胸元にあるネックレスらしきものを通り過ぎて、視線を上へ上へ。
着物から覗く肌は白く、色素の薄い少し長めの髪は束ねられ、藤色を彩った唇がもう一度艶かしく動いた。
「迷ったのですか?」
返事を口にすることも、反応することもできずに私はただただ白い肌に映える赤を食い入るように見つめ、藤色の瞳を瞳に映す。
端正な顔立ちはおよそ人とは思えぬほど美しく現実味がない。
この人、どこかで…。
頭に残る人の顔を思い出し、この人じゃない。この人も違う。と思案すること数秒。
「あ」と、小さく声を上げ、半信半疑で『彼』と目の前の不思議な風貌をした人を当てはめる。
いや。でも。
そんなことはあり得ない。
あり得るはずがないのに。
どうしてこうも『彼』と似ているのだろう。
「……お嬢さん?」
少しばかり顔を覗き込まれて、私は無意識に『彼』を呼ぶ。
「薬売り…さん?」
混乱する頭の隅で、そんなバカなことがあるはずがないと誰かが嗤う。
「ほぉ」
『彼』は興味深そうに私を眺めて、スッと目を細める。
「お嬢さん。私をご存知で」
本当に、本物?
唖然としながら『彼』と『彼』の向こうを眺めると、そこにはただただ白い空間が広がり、町も人も、私たち以外何も見当たらなかった。
「ここは…?」
そのときの私の思考は相変わらず靄がかかったようで。
『彼』と私だけがいるこの空間を不思議と思えただけ奇跡のようだった。
私の問いに『彼』は微笑みだけを返し、私はそれに目を奪われるしかなく、その後の展開は何も予想していなかった。
 
+++
 
…っていう夢を見ました(笑)
どうして某薬売りさんが夢に出てきたのか本当に謎ですが。
美人さんでついつい見惚れてしまいました(目の保養)
夢にちゃんと声までついていて、贅沢にも「良い声だな~」とか思って聞いていたのはここだけの秘密です(爆笑)
耳元で「お嬢さん?」って!
(どんな妄想だよ!/夢に出てくるってことは願望なのか?!)
物凄くこそばゆくて、叫びそうになりました(わぎゃー!/落ち着け)
 
+++
 
ちなみにその後、中の人が出てきて
(場面が変わって中の人がコスプレしてました的な展開だった)
「驚かしてごめんなー」
と、言われました。
大爆笑で!
横から「こいつアホやねん」っていうツッコミが入って。
ついつい水月も一緒になって笑ってしまいました(笑)
 
+++
 
正直に言うと、最後のコスプレでしたってオチはあんまり嬉しくなかったです(ぇ)
 
某薬売りさんと会ったとき、本当にあのアニメーションの世界が広がっていて、本当に本物に会ったのだと勘違いしてしまいました。
…もしパラレルワールドがあるとしたら、夢が繋がって会ったってことにしておいてください(笑)
でも、そうなると水月には何らかの『モノノ怪』がついていることになるのでしょうか…。
それは嫌だなとか思いつつ、某薬売りさんの美しさを堪能できただけ良いのかもしれない…と思ってしまう水月は色々と末期なのでしょうか。
(あ、コラ。そこ!いまさらとか言うな/笑)
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