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廿楽さんと神楽くんの小話（笑）
たぶんＵＰしてないと思われる『もしも』のお話が出てきたので、記念に更新。 ＋＋＋ 「…っ！離して！」
「―――ちょっと黙りなよ。廿楽」
「だって。こんなっ…」
「『下ろせ』なんて言ったら、今すぐここでその邪魔な口、塞いであげるけど」
「…ばか。そうゆう笑えない冗談止めて、て、いつも言ってるのに」
僕の腕のなかで頬を膨らまし、ほんのりと顔を赤く染めた。
そうやって信頼した奴には無防備に何もかもを許すのは廿楽の悪い癖だ。
それに。
「馬鹿？僕が？」
面白いことを言うね？と最大限の敬意を表して微笑むと廿楽は、戸惑いなど微塵もせずに頷く。
「ん。ばか過ぎて泣けるくらい」
「…廿楽？雛鳥を巣に返そうとして木から落っこちた馬鹿はどこの誰だっけ？足捻って動けなくなって、俺が来るまでうずくまってた意地っ張りは？助けを呼べばよかったのに呼びもしないで。人がどれだけ心配したと思って「…ごめん」
俺の声をさえぎり、廿楽が小さく呟く。
白いシャツを握る廿楽の手。俯く顔。
「謝るくらいなら、最初から俺を呼ぶ。…解った？」
是とも非とも取れない悩ましげな声に眉をしかめて顔を覗き込むと、廿楽は無言で俺の顔を見た。
「…廿楽？」
「神楽は、呼びたくない」
「落とすぞ」
「それは嫌」
プイッと可愛らしく顔を背ける廿楽に殺気が沸く。
「…俺を怒らせたいの？」
「違う、けど」
「けど？」
「神楽、最近、忙しそうだし」
「…は？」
口篭りながら理由を述べる廿楽はもう一度、ごめんと小さく呟いた。
「心配してくれるのはありがたいけど、廿楽の傍にいられないほどじゃない」
「いいよ。傍にいてくれなくて」
「またそういうことを…」
「色々と、面倒だから。あんまり傍にいてほしくない」
いつもなら真っ直ぐに人の目を見て話す廿楽が、一向にこちらを見ない。
「何があった？」
確信めいた質問に廿楽は首を横に振る。
「―――何も」
何もないよ。と。
言葉が少ないのはいつものこと。
もう少し何かヒントでもあれば…と思い悩んでいると近くの茂みがガサッと揺れた。
振り向こうとした俺のシャツを絶妙のタイミングで引っ張り、廿楽は再び首を振る。
「廿楽」
非難めいた声に廿楽はくすりと笑って。
「ありがとう、神楽。でも、ダメだよ」
と、俺を牽制した。
＋＋＋
『もしも』廿楽さんと神楽くんが幼馴染だったら。
パート２！（笑）
別名：猛獣使いの廿楽さん（笑）
なんだかんだで廿楽さんに甘い神楽くんは、廿楽さんを保健室に連れて行ったあと「誤魔化されてやるのは今回だけだ」とか言うのでしょうね。
そう言っておきながらしっかり調べちゃうあたりが神楽くんのダメなところ。
廿楽さんはそういう神楽くんの性格を解っているからこそ、そろそろ潮時かな。とか思っている。
神楽の傍は確かに居心地がいいけれど。
たまには私だって危ない橋を渡ることもあるよ。
けど、それと神楽とは何の関係もないんだよ。
例えその原因が神楽だとしても、受けた喧嘩は私のもの。
手を出さないで。と言って効く相手なら良かったのだけど。
神楽は視野が狭いからな。
などと思っている廿楽さん。
神楽くんが出てくることによって起こる色々な弊害を少しは考えて欲しいと頭を悩ませる。
大切だからこそ離れたほうがいいこともある、という結論に行き着く廿楽さんを、神楽くんは許さないんだろうな…。
精神的には廿楽さんのほうが大人で、神楽くんは相変わらず廿楽に執着していればいい（笑）
そうしている間に廿楽さんは逃げて、気がついたときには他の誰かに取られているのがベストだと思います！（えぇ？！）
取られた後に後悔しまくればいいさ！
廿楽さんのこと忘れられなくて、最終的にやっぱり廿楽さんに会いに行く惨めな神楽くんを書きたいです。
取られたものは取り返すって。廿楽さんを攫いに行く神楽くん（笑）
でも、人の気持ちは物じゃないから、攫ったって心までは奪えないんだよ。と、廿楽に諭されればいいよ。
そして、捨てられてしまえ（作者的願望）
＋＋＋
本編でもこっちでもやっぱり平行線。
パート１の時は神楽くんのほうが一枚上手でしたが、たまには廿楽さんに軍配を。
神楽くんに酷いのはいつものことです（笑）
神楽くんは本当に粘着質な変態だな！と思って書いていることはここだけの秘密です。 PR COMMENT COMMENT FORM
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