「そういえば、そうだったよね」

「無彩色」を着た僕を思い浮かべて、「有彩色」の君は笑う。

「あのときはこんな風になるなんて思いもしなかった」
「本当にな」

「無彩色」を好み始めた君のあと、「有彩色」に包まれて僕は笑う。

＋＋＋


昔着ていた「無彩色」の服。
今はお友達が好んで着ている。

昔友人が着ていた「有彩色」。
今は私が好んで着ている。

ただそれだけのことに笑ってしまう。

今私が「無彩色」の服ばかり着るようになったらそれはそれで違和感があるし、友人が「有彩色」ばかり着ていたらそれはそれで違和感が…。
昔は正反対だったのに、どうして、どこで道を間違えたんだろう（笑）
と、お互い笑い合う。

もしかしたら君が10年後の私で、私が君の10年後だったのかもしれない。

じゃあ、そろそろあの頃に戻ってみる？
なんて冗談を言い合って、この頃はまた「無彩色」の服でも着ようかなと考え中。
久々だとなんだかしっくりこない。

何が変わったわけでもないだろうに。
何かが変わっているのかな。

時間の流れと変化を思うと、人間の進化を思い出します。