声が聴きたくなって。
音が、ほしくなって。

耳を澄ませてみたんだ。

＋＋＋

『誰か』の声を聴くとほっとする。と言う人がいる。
その『誰か』は人によって違って。
その想いも、さまざまなのだろう。

ちょっとだけ、そんなことを思って。
そういうとき、私だったら『誰』を思い浮かべるのだろう。と、少しだけ考えてみた。

＋＋＋

やさしい声。
愛おしい声。
せつない声。

いろいろな『声』があるけれど。
たぶん、私が今一番望んでいるのは日常会話だ。

ほんの些細な言葉たち。
もう聞けないあの人の声。

「おはよう」も「おやすみ」も言えなくなって。
聞けなくなって。

あれからもう、ずいぶん経ったのに。
ダメだなぁって、思わず苦笑がこぼれた。

＋＋＋

いまさらなのにね。
本当に。
いまさらなのに。

ときどき、『どうして』って思うんだ。

言ってはいけない一言。
頭に浮かんで、消えるのに、少しだけ時間がかかる。

お線香の煙に目が霞んだだけ、なんて。
自分を、甘やかす自分が、酷く歯がゆくて。

＋＋＋

夜は、思い出が多すぎて、困る。

痛みと苦しみ。
悲しさと辛さ。

日常に付き纏うそれらが、どれだけあなたを蝕んだのだろうと思うと。
蹲りたくなる。

私が、痛いんじゃないのにね。

いつだって　穏やかで。
いつだって　優しくて。

痛くても、笑うような、そんな人だったから。

写真越しのあなたの笑顔を、直視できない。

＋＋＋

ごめんね。
こんな態度をとってしまって。
こんな態度しかできなくて。

もっと強くなりたいのに。
ずっと笑顔でいたいのに。

火を灯す　その瞬間が　こわいんだ。

消えてゆく思い出が。
消えてゆくあなたの声が。

いつか　このまま　思い出せなくなって。
あなたを声を忘れてしまうかもしれない自分が。

＋＋＋

朝がきたら、でかけて。
お友達と会うから。

それまでに　ぜんぶぜんぶ　流してしまおう

この　言いようのない　気持ちは
私のものだから

喜びのように共有するのではなく
受けとめて　受け入れて
心のなかに

そっと　そっと

『いつか』の優しさになる　そのときまで

＋＋＋

大切にして
大事にしよう

あなたから貰ったさまざまな優しさや愛しさを
無駄にしないように

あなたから学んだ多くを
捨ててしまわないように

できるだけ　この気持ちを　有に変えて

何かを愛おしいと
誰かを大切だと
胸を張っていえる　こころにしたい

＋＋＋

できるなら、
自分がどうしようもなく辛いときや余裕がないときにこそ
人に優しくできる人になりたいなぁ…。

泣いて生まれてきたからには
笑って死にたい

もしも　いつか結婚して子供が出来て
孫ができたりしていたら
宝の地図を作ろう

おばあちゃんからの贈り物
宝箱に
夢と希望を　たくさんつめて

そんなお茶目なおばあちゃんになれたら素敵だなぁって。
どんどん脱線していく思考回路。
静かな夜。

＋＋＋

流れた涙も　いつかは空に昇るから
空が流す雫は　地上に戻りたがるのかな

誰かを潤す　恵みになって
天と地を紡ぐ　お便りみたいに

あたたかいものに　変わっていればいいな

誰かの流した
やさしい涙も
つめたい涙も
みにくくて　ちょっぴり　せつない涙も

雨上がりの　虹みたいに
見た人を笑顔に変える
きっかけになっていたら